教育原理 重要語句 まとめ③
STS教育
S(サイエンス)T(テクノロジー)S(ソサエティ)教育は、社会における科学や技術を対象とする教育であり、特に、市民社会における科学技術のあり方を考える教育である。
カリキュラム開発
カリキュラム開発は、教師、学校、教育研究者、教育行政機関、国などが、教育の目的、内容、方法、評価など、教授学習活動に必要な要素を新たに組織編成し創りあげることである。
カリキュラム経営
カリキュラム経営は、開発編成したカリキュラムを実施、評価、改善していく組織的な営みである。
カリキュラム評価
カリキュラム評価とは、各学校が、実施したカリキュラムの成果を適切な観点から評価することである。
クロス・カリキュラム
クロス・カリキュラムは、特定のテーマについて、複数の教科・科目の内容を相互に関連づけて学習するカリキュラム。各教科の専門性と特徴を生かし、特定テーマに対する関連性を明確にして学習効果を上げる方法である。
コア・カリキュラム
コア・カリキュラムとは、中心課程とそれに関連づけられた周辺課程によって構造化されたカリキュラムをいう。教育課程の中核(コア)に生活上の問題を置き、周辺に関連する教育内容を配置する同心円的構造のカリキュラムである。
ゴール・フリー学習
学習の到達目標を教師が一律に定めることなく、児童生徒個々の能力、資質、個性などに応じて、学習を進める形態をいう。問題解決的な学習を進める場合や児童生徒の興味関心の持続、学習の発展をねらって行われる。
スコープとシークエンス
単元開発やカリキュラム開発の方法原理として提唱されたもの。スコープとは、教育目的を実現するために教授する教育課程の内容的な領域ないしは範囲のこと。シークエンスとは、教える順序や系列ないしは教育内容の配列のこと。
タイラーの原理
タイラーの原理とは、アメリカにおけるカリキュラム研究の枠組みを形作ったタイラーの業績をまとめたものである。タイラーの原理を簡単に示せば、教育哲学と発達心理学に基づき教育目的を定め、この教育目的を行動として示した教育目標を設定し、それを教育評価の基準として、カリキュラムと教育目標の改善のために評価を行うという方法である。
ドルトン・プラン
ドルトン・プランは、ヘレン・パーカーストが、マサチューセッツ州のダルトンで行った学習の個別化を目指した方法である。ダルトン・プランでは、アサインメントという学習進度の配当表が作られ、それを生徒自身がチェックしながら学習する。
ティーチャー・プルーフ・カリキュラム
教師の授業の上手さや教材作成の能力の偏りに関係なく、一定水準の教育効果を上げ得ることを目的にしたものである。カリキュラム作成の専門家と授業づくりの専門家が協同して質の高い教材パッケージを作り、教師はこれを指導書通りに実施するものである。
トピック学習
トピック学習は、一人ひとりの子どもの興味関心を尊重し、教科の枠を超えたテーマについて、さまざまな角度から学習する方法である。特に、理科と社会科の学習を軸とし、一つのテーマについて多面的な学習活動を展開するものである。
プロジェクト・メソッド
プロジェクト・メソッドとは、学習課題に対して、学習者が自発的に企画、計画、実行することにより、課題の遂行能力や知識、理解、技術などの能力の獲得を目指す学習方法である。この方法は、教科に区分された学習ではなく、学習者の生活経験を基盤とした学習方法であり、カリキュラムの相関や統合が図られるところに特徴がある。
モジュラー・スケジューリング
モジュラー・スケジューリングは、学習者個人の興味や能力に適した学習を組織するために、授業時間を画一的に定めずに、学習者の要求に合わせて短い単位時間(モジュール)を設定し、これをもとに個人別の時間割を作成する方式である。学習時間と授業集団の編成を教育の個性化の方向に最も進めた方式の一つである。
課題解決学習
課題解決学習は、知識の体系を重視しながら問題解決学習の方法を取り入れた学習の形態である。特定の課題をさまざまな角度から追求したり、問題解決の遂行、創造活動などを行う学習である。歴史的には戦後、系統学習と問題解決学習の対立点を克服するものとして課題解決学習が提起された。
学校に基礎を置いたカリキュラム開発(SBCD)
学校に基礎を置くカリキュラム開発は、学校をカリキュラム開発の場と考え、教師の日常的な学習指導を基礎にカリキュラム開発を進める考え方である。
学校設定教科・科目
高等学校が、学習指導要領に記載されたもの以外に、独自に設定できる教科・科目をいう。今回の学習指導要領によって、従来の「その他特に必要な教科・科目」を改めたものである。
学校知
学校で教え、学ばれる知識が学校知である。狭義には、学校で教えられる教科内容やその知識を意味するが、広義には、子どもが学校生活を通して身につける行動様式をも含めて学校知ととらえられる。
学習指導要領
学習指導要領は、学校教育法施行規則に基づき、教育課程の基準として文部大臣が告示する。小・中・高等学校、盲・聾・養護学校等の学校種別に示され、戦後から現在まで、我が国における学校教育の内容と水準を示してきた。
各校種の学習指導要領はこちらから↓
完全習得学習
完全習得学習(マスタリー・ラーニング)とは、アメリカのB・ブルームらによって提唱された、学級の95%の子どもが完全に習得することを目指す学習方法である。
教育課程とカリキュラム
カリキュラムは、ラテン語で競争路を意味するクレーレを語源とし、学習者の学ぶ道に配列されている教育内容のことである。教育課程は、学校が目的的、組織的、計画的に実施する教育内容である。
教育課程の弾力化
今回の学習指導要領では、教育課程編成に当たって、各学校が創意工夫を生かし、特色ある教育活動を展開することが示されている。
教育内容の「現代化」
一九五〇年代末から六〇年代において、先進国では自然科学を中心とした学問的成果を学校の教育内容に反映させることを目標にしたカリキュラム改造運動がアメリカで展開された。
教科主義カリキュラム
教科の背景となる学問体系を基本とし、教科の内容を構造化して編成するカリキュラム。
郷土学習・地域学習
郷土学習は、学習の題材を郷土の文化、伝統、自然の中に求め、児童生徒の直接的な体験を通して、郷土の地理、歴史、自然等に対する理解を深め、郷土に対する豊かな情操を育み、自己と地域社会との関係や果たすべき役割について考えていく学習。
発達段階
エリクソンが提唱した発達段階は「心理社会的発達理論」と呼ばれています。
人間の一生を8つの段階にわけ、その段階ごとに心理的課題と危機、課題達成により獲得する要素などを分類したものです。
人間は、生涯どの時期においても発達し
どの段階においてもクリアすべき課題とクリアするための障害となるものが存在し
障害を乗り越えた時に得られるものも定義されています。
また、発達段階で関わる人物や具体的に何を通して課題をクリアしていくのかということもまとめられています。
系統学習
系統学習は、諸科学の基本概念や原理を児童生徒の発達段階を考慮して構造化することによって教育内容を構成する学習である。教材の構造化により系統性を生み出し、順序だった理解をさせようとするのが、系統学習の特徴である。
経験主義カリキュラム
子どもの自発的で活動的な学習経験を尊重し、子どもの生活経験を基本にして編成されるカリキュラム。子ども自らの興味関心、意欲、能力、実際の生活経験などに基づいて構成される学習者中心のカリキュラムである。
研究開発学校制度
文部科学省では、昭和五一年度から研究開発学校の制度を設けている。この制度は、急激な社会の変化に伴って生じる学校教育に対する多様な要請に対応するため、研究開発を行うものである。指定を受けた研究開発学校は、新しい教育課程や指導方法を開発研究するため、学習指導要領など現行の基準によらない教育課程を編成・実施できる。
顕在的カリキュラム
教育目標にそって、意図的で計画的、組織的に行われるカリキュラムが、顕在的カリキュラムである。学校要覧や学校案内に掲載されている教育課程表など誰でもカリキュラムの内容が分かるような明示的なカリキュラム。
広領域カリキュラム
教科カリキュラムによる学習の統合を図るため、類似した教科の枠を取り払って、より広い学習領域を設定するカリキュラムである。方法としては、互いに類似した教科目群を、一つの新しい広域の教科としてまとめていくものである。
合科学習
合科学習は、複数の教科内容を統合して、総合的に指導する方法である。統合の形態には、全教科の統合、一部の教科の統合、教科と教科外活動との統合など、いくつかの形態がある。
時間割編成(ブロック方式・テープ方式)
今回の学習指導要領では、標準授業時数が35の倍数ではない教科が多い。授業時間を15分、25分などの短い時間に分割し、それを基本単位(モジュール)として組み合わせる方法や、90分、180分などの長い時間を設定し、その中で、授業の流れと教師の判断に応じて時間を運用していくブロック方式などが行われている。弾力的な時間割編成の工夫として、週サイクルの時間割ではなく、A週、B週のローテーションによって年間授業時数をととのえる方式や、学期全体を通した時間割を作成するテープ方式が取り入れられている。
自由研究
一般的には、学習者一人ひとりに、その個性・能力・興味に応じた学習題材を選択させて、一まとまりの学習の展開を図る学習形態をいう。児童生徒の興味関心と教科の内容とをつなぐ学習活動であり、児童生徒の自主性や自発性を伸ばす学習方法。
生活単元学習
生活上の問題を解決するために、一連の実際的な学習を経験させることよって、子どもの自立生活に必要な知識や技術を総合的に身につけさせようとする指導の形態である。生活単元学習では、子どもの生活に基づいた目標や課題を設定し、体験的な学習の結果として、各教科等の内容を習得することをねらいとするものである。
潜在的カリキュラム(ヒドゥン・カリキュラム)
カリキュラムの意味を広くとらえ、教師の目標や意図とは関わりなく、非意図的・不可視的に子どもたちを方向づける作用を潜在的カリキュラムまたはヒドゥン・カリキュラムという。
相関カリキュラム
複数の教科における共通性を取り上げ、それらの内容を相互に関連を持たせるように編成し指導していく教科カリキュラムの一類型。教科分離型のカリキュラムを改造し、学習効果の向上のため、教科の相互関連を図ったもの。
総合学科
総合学科は、高校生の能力・適正等の多様化に対応すべく、新しいタイプの高等学校の一つとして、普通科および専門学科に加えられた第三の学科として開設されたものである。
発見学習
学習者自身が結論を導く過程に参加することによって、自らの力で学習の目的である新しい知識や概念を獲得したり、問題解決の方法を学び取ったりする学習方法である。ブルーナーの提唱。
問題解決学習
デューイは、学校を小さな社会と考え、そこで行われる生活経験を重視する学習を行い、問題解決学習を提唱した。問題解決学習の背景には、アメリカにおける経験主義と児童中心主義の思想がある。問題解決学習では、子どもの直接体験や生活経験に基づいた反省的探求を重視する。
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